2014年 08月 28日
スピーチの原点
戦中に台湾に渡り
教育委員会委員長のような仕事をしていて
終戦後、命からがら日本に帰国したと聞いている。
その祖父が祖母の葬儀の時に話した喪主のあいさつ。
それが私のスピーチの原点である。
原稿もなくポツリポツリと話し出した祖父。
お決まりの挨拶もなしに始まった祖父の言葉は
準備することなく心情から湧き出た祖父と祖母の思い出であった。
飾ることなく、流暢でもなく
ただ純粋な祖母に対する愛に満ち溢れていた。
いつしか引き込まれ、心が震え
その会場すべての人が祖母の思い出に包まれ
涙していたのを今でも忘れない。
私がつい小手先で仕事をしてしまいがちになる時に思い出すのは
ビルゲイツでもオバマでもない
私の祖父のその時のスピーチだ。
準備をすることは大切だが
原稿どおりに、寸分の間違いなく
時間通りに進めることが成功なのではない。
皆さんと対峙する中で相手を感じ
湧き出る心情から出た言葉こそが
何よりも相手に響くのだと私は確信している。
あの時の祖父を思い出すたびにそう感じるのだ。
私はいまだに祖父を超えることはできていない。
けれども
そのマインドを継承していく覚悟でこの仕事をしていくつもりだ。
by HATARAKUKAISHA
| 2014-08-28 09:22
| 「はた・らく」