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コトを売るって?

昨晩は
大國魂神社の酉の市へ

冬の始まりを告げるお祭りに
否応なしに気持ちは高鳴ります。

『お多福に熊手の客がひっかかり』というのは
『おとりさまへいってくるわ!』と大手を振って出かけ、
帰りに隣接する新吉原の誘惑に負けてしまった殿方を詠んだ川柳。

祭り当日、吉原は通常は開けない大門以外の門も開放して、
昼見世から開き、遊廓にとっても特別な日だったそうです。

江戸の街が華やぎ 人々が浮かれざわめくのが目に浮かぶようです。

昨日は一の酉。
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熊手屋サンの前に立つと威勢のいい掛声が。

ここでひるんではいけません。

昔は『熊手の商談』というのがあり
笑ったり騒いだりここでのバトルは楽しんだもの勝ち。

きっぷのいい『まけたまけた』の掛け声が聞かれたら商談大成功。

そして昔は値切った分だけご祝儀としてお店においてきたものだそうです。

お客様はお大尽気取りを楽しみ
熊手屋さんはより儲かった気分を味わえる
江戸っ子ならではの『粋』が、そこにはありました。

この頃は

『モノ』を売るのではない『コト』を売るのだ!
なあんていう声も聞こえてきますが

これなんてまさしく『コト』
経験、体験、思い出ではないでしょうか。

『家内安全 商売繁盛』と、大勢で手を打つ瞬間は江戸も今も同じ。

熊手を正面に向けて高く掲げながら行くその道は
さぞかし誇らしく来年への希望に満ち溢れ歩いたことでしょう。

その自分が歩く道の
晴れやかな気持ちまで想像して
熊手を買います。

そこまでの一連の物語『コト』を売る
ということなのかなと思いました。
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洋服を買うのも
わざわざお店に足を運んで買う理由の一つは

物語があるからなのだと思います。

ECで十分に間に合うのに
店に行く理由。

ステキなお店に行くときには
ステキなお洋服を着て行きたくなるものです。
家を出る前から始まる物語。

そして
『あの人から買いたい』と思わせてくれる販売員さんがいるのなら
その気持ちはますます高まります。

入った途端に自分が着ているのが想像できるシーンが広がり
行く先が目の前に広がるような感覚。

そしてたわいのない話から、ファッション談義まで
同じ波長で対話できる『コト』

信頼して委ねられるハレの装いのコーディネートは
選んでいるときから物語の始まり。

『ユナイテッドアローズ日本一お客様に喜ばれる販売員の話』
にもありますが

初めてのデートでの装いから
結婚式の2次会のコーディネート

お子様が生まれ初宮参り、七五三、入園式・・・

とお客様との物語が何年も続いていることは
たくさんあります。

なんでもロボットが出来るようになって
お店もいらなくなるなんて言われた時代もありましたが

だからこそ

『にんげん』

にしかできないことを探す楽しみは
ますます増えてきたのではないでしょうか?

『コト』の大事な肝は熊手の商談に見つけました。

お大臣気取りを味わう買い手と
より儲かった気分を味わう売り手
遊び心と粋が相まって

両方とも楽しくて幸せな気分になる。

はた・らく会社

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by HATARAKUKAISHA | 2015-11-06 15:47 | 「はた・らく」